こんにちは。Wild Samuraiです。
今回の記事では
- これまでブームだったハイテク株のラリーはもう終わりであること。
- セクターローテーションが起こっているので、次のブームはどこに来るのか。
について書いていきます。
目次
●現状の整理〜ナスダックの高値からの一時急落について〜
アメリカのハイテクセクターを中心に構成された指標であるナスダックは
2021年11月 16,212
↓
2022年5月 11,036
ここまで 32%安 となっています。
理由としては
- FRBによる政策金利の利上げ
- ハイテク株が予想を下回る決算を連発
- ハイテクセクター全体のセンチメントの悪化
といったことがあります。
ちなみに・・・
ナスダックにレバレッジをかけた投資商品である、通称「レバナス」は大暴落しました。
2021年11月 43,451円
↓
2022年5月 20,747円
ここまで 53%安 となっています。
ハイテクは成長産業なのでここから上がると思っている人は注意をしてください。
●インターネット株の終焉
スナップの暴落
スマートフォン向け写真共有アプリの会社であるスナップ(SNAP)が第二四半期での利益見通しを引き下げました。
これは第一四半期の決算後、1ヶ月も経たないうちの発表です。
SNAPはこれまで業績見通しを一度も引き下げることはありませんでした。
マイナス要因としては
- インフレと金利上昇
- サプライチェーンの問題
- 労働者の確保
- プラットフォームの規定変更
- ウクライナ戦争
などがあります。
これを受けて
Google 5%安
Meta(元Facebook) 7.6%安
Twitter 5.6%安
Pinterest 24%安
これらの同業他社もスナップの暴落に巻き込まれました。
ネット株暴落の背景とレバレッジ商品の落とし穴
個人投資家はインターネットセクターは成長産業なので株価は上昇すると思っている人もいますが、そんなことはありません。
さらにいうと、この先10年以上株価は戻らないかもしれないのです。
そもそもインターネットセクターの成長率は鈍化しています。
なぜなら、コロナ禍でステイホームをしたことで、インターネット株が強い上昇を見せました。
つまり、数年間に及ぶ需要の先取りをしてしまい、アフターコロナでのリアルな世界ではそれほど需要が伸びない可能性があります。
またFRBによる長期金利の上昇は、PERの高い株式にとっては痛手です。
なぜなら、金利の上昇は高PERの株のバリュエーションをおし下げるためです。
インターネット株が長期の下落相場になれば、たちまちボロ株になるでしょう。
例
WEBL(ディレクション・デイリー ダウジョーンズ インターネットブル3倍ETF)
このETFは米ディレクション社が運用するハイテク銘柄に特化したレバレッジETFです。
この銘柄はすでに90%近く値下がりしています。
仮に50代から60代がこういう株を持ってると、リタイア後の生活が絶望的になります。
こういうことがあるので、レバレッジ商品の長期の買い持ち戦略はすすめません。
世界の経済市場を見ると
- 弱気相場は4年に一度
- 歴史的な暴落は10年に一度
の頻度で起こると言われています。
●セクターローテーションが起こっている
コロナショックを受けて、ハイテク株は急反発しました。
→今回も急反発するのではと考えている人も多いのでは?
結論
値ごろ感だけでハイテクを買うのはやめたほうがいいです。
今はセクターローテーションが起こっています。
世界の投資家は
グロース→→→バリュー
ハイテク→→→ディフェンシブ
へ投資先を移しています。
ステージ1・・・景気が弱い時
経済の縮小が続き、マーケットは徐々に回復していきます。
FRBは政策金利を引き下げるなど金融緩和をします。
株価は景気の先行指数なので少しずつ回復します。
ステージ2・・・ブルマーケット
資本財や素材がブームになります。
この時は十分な緩和をしているので、株はブームになっていることが多いです。
景気拡大が続けばFRBは政策金利を引き上げ始めます。
インフレへの懸念により長期金利は上がり始めます。
そうすると高PERの割高なハイテク株は売られるのです。
例
FRBは2022年3月に利上げに踏み切りました。
ナスダックはそれを織り込んで2021年11月に天井をつけました。
景気の加熱は短命に終わることが多く、資本財株や素材株は短期間で大暴騰することが多いです。
しかし弱気相場で大暴落するので長く持つのは危険です。
ステージ3・・・株価天井〜ベアマーケット
景気拡大が続く中で株価は天井をつけます。
インフレへの懸念で素材株やエネルギー株が強くなります。
FRBはインフレ退治のため、利上げを進めて景気が加熱しないようにガス抜きをします。
ステージ3の終盤で
景気拡大の中で株は天井を売って下落します。
つまり弱気相場入りです。
コモディティ価格は上昇することにより消費は悪化します。
企業は業績悪化・業績低迷へおちいります。
FRBは利上げを止め、投資家は将来のリセッションを予想します。
投資対象は生活必需品やヘルスケアなどディフェンシブへ移行します。
ステージ4 ベアマーケット〜底値
この時期は株の弱気が本格化します。
景気は拡大から縮小へ移行し、労働市場の悪化からFRBは利下げをします。
この時は投資家が一斉にリスクオフへ動きます。
これは全ての株が売られるということです。
個人投資家は狼狽売りへ走ります。
ステージ4の序盤では電力会社などの公共株は買われます。
公共株は
- 景気に左右されない
- 配当があるから債権に近い値動き
- ダウンサイドリスクが少ない
などのメリットがあるからです。
ステージ4の終盤では金融株が見直されます。
理由は政策金利が0に近づくと長短金利差が拡大します。
そうなると銀行の利ざやが拡大しマージンが増加します。
金利が低下すると株式のバリュエーションは増加。
そうすると、ハイテク株も上昇します。
現在のステージは3〜ベアマーケットの序盤〜
現在はステージ3の序盤です。
よってヘルスケアや生活必需品に投資マネーが集中することが予想されます。
今はハイテク株に向かうべきではないです。
堅実にヘルスケアや生活必需品に投資するべきです。
●今投資妙味がある銘柄 具体例
バンガード生活必需品セクターETF
VDC
バンガード米国ヘルスケアセクターETF
VHT
iシェアーズバイオテクノロジーETF
IBB
●まとめ
ハイテク株の投資ブームが終焉しました。
そして経済のサイクルにより、セクターローテーションが起こっています。
これはハイテク企業の業績見通しが急速に悪化しているからです。
現在はベアマーケットの序盤。
ヘルスケアや生活必需品に投資マネーが集中することが予想されます。
今はハイテク株に向かうべきではなく、ヘルスケアや生活必需品に投資するべきです。