さて、グロース投資の手法解説について続きになります。
今回はオニール投資戦略のCAN SLIM以外の内容について取り上げます。
これから話す内容を大きくまとめると
絶対に売って損切り・利確をしないといけないタイミングについて
・マイナス8%で損切りする
・通常は20~25%で一度利食いをする
・1〜3週間で20%も上昇する株は最低8週間持ち続ける
以上、順番に見ていきましょう。
目次
絶対に売って損切り・利確をしないといけないタイミングについて
投資を初めて一番悩むのは買い時よりもむしろ売り時と言ってもいいでしょう。
スポーツの世界で「最高の攻撃とは最高の防御である」という言葉を聞いたことがないでしょうか?
攻撃が強いばかりでディフェンスをおろそかにするチームが試合に勝つことはあまりありません。むしろディフェンスが上手いチームのほうが勝ち進んでいく確率のほうが多いものです。
投資も同じで大きく負けてしまうと資金が尽きて投資を続けることができなくなります。
間違いを犯したと気づいたときに素早く方向転換(損切り)できることは非常に大事なのです。勝率が低く、10回勝負して3〜4回しか勝つことができなくても、大金を儲けることができるということです。
マイナス8%で損切りする
オニールは個人投資家であれば買値から7〜8%の下落での損切りを推奨しています。誤解してほしくないのですが買って上昇してから下がったところから損切りするのではなく、買値から計算してください。
例えば100ドルで買った銘柄の損切りラインは92ドルです。
110ドルに上がって101ドルに下がっても損切りの必要はないのです。
7〜8%ラインで損切りをすすめる理由は、一度7〜8%の損失を出した銘柄はそれ以上に下落する確率が高いのです。
そのため、一度7〜8%の損を出した銘柄は数日様子を見たり、買い増しをする必要はなく、ばっさりと損切りしてしまって大丈夫です。
投資を初めて初心者の方は損切りできないとよく聞きます。そういう方は「損切りは保険」と考えましょう。
「損失をおさえる」という考え方は保険の掛け金を払うことに似ています。保険とはリスクを自分が安心できる水準まで引き下げてくれるのです。確かに、売ったあとの銘柄がすぐに上昇することは頻繁に起きるものです。それは悔しいことですが、売ったことが間違いだったと後悔してはいけません。
簡単な例を出しましょう。
皆さんの中で車や家を持っていれば保険に入っているでしょう。
例えば自動車の保険に入っていて1年間無事故でした・・・今年保険を解約するでしょうか?
おそらく今の保険を続ける人が大半です。そして今まで払った保険が無駄だったとは思わないでしょう。間違った保険に入っていたと怒り出す人は少ないと思います。
保険は万が一に備えて入るもので、大きな損失を出すというわずかな可能性から身を守るためのものです。
損切りをして次の銘柄を買うための資金として被害を最小にしておくことが最も賢い戦略なのです。
通常は20~25%で一度利食いをする
オニールは「損切りは素早く、利食いはゆっくり」という出口戦略を推奨しています。
投資初心者はこの逆で損切りをいつまでもせず、利食いはすぐに行ってしまいます。そのため、いつまでも含み損をかかえたまま資産を増やせないことが多いです。
初心者向けに投資がうまくなるコツを教えると
・損切りが出た場合、元本の半分程度を素早く売る。さらに様子を見て下落するようであればすべて売る
・利確は含み益の数10%をゆっくり利確していく。さらに様子を見て上昇するようであれば少しずつ売る
こういった方法をおすすめします。
「いくらで売ればいいのかわからない!」という人には損切りは先程行ったように8%程度、利確は20〜25%利確をしてください。
投資とは
「利確するまでが遠足」
です。
いつまでも含み益まま持っておくのではなく、目標値まで上がったら少しずつ一度利確をして次の投資機会に備えることが大事です。
株の売り時・買い時というのはプロでも予言することはできません。
であれば少しずつ利確して苦労して稼いだ資金を常に守る意識を持ちましょう。
1〜3週間で20%も上昇する株は最低8週間持ち続ける
先程、「20〜25%程度の上昇をめどに、利確を始める」ということをオニールはいっていますが、これには重要な例外があります。
それが「1〜3週間という短期間で20%もの上昇する株は最低8週間(2ヶ月間)持ち続ける」というものです。
もちろん買値から8%もの下落は損切りするというルールはそのままです。
投資をしている方ならわかると思いますが、20〜25%の上昇が短期間で起こることはマレです。それは多くの投資家がその銘柄に注目し、会社の勝ちが高まっていることが考えられます。そういった当たり銘柄に投資できた場合、いつもの利確ラインよりも少し長い期間をとって観察し、上昇幅を狙うことが合理的なのです。
こういった良い銘柄は1年のうちに2〜3銘柄見つけられたら良いものです。
損切り・利食いラインの参考に、このルールも是非取り入れてみてください。
次回の記事では今回と同じようにオニール投資戦略のCAN SLIM以外の内容について取り上げます。