今回は市場超過リターンアルファを目指すための2回目の説明です。
目次
・アクティブインデックス実践編 〜売買手法〜
景気ウォッチャー調査には以前の記事にもあげた
・今の景気がどうなっているか表す「現状判断 DI」
・今後どうなっていくかを表す「先行き判断 DI」
この2種類があります。
2つの指標を使って売買の判断をするには方法が2つあります。
方法① (現状判断 DIのみ利用)
現状判断 DI だけを使った簡略版の売買ルールは簡単です。
現状判断 DI が前月から1.5ポイント以上改善していたら日経平均を買います。
反対に前月から1.5ポイント以上悪化していたら、買っている日経平均を売ります。
方法② (現状判断 DIと先行き判断 DIを利用)←おすすめ
現状判断 DI に加えて、先行き判断 DI を使います。
現状判断 DI が前月から1.5ポイント以上改善し、かつ先行き判断 DI が前月比プラスであれば日経平均を買います。
反対に現状判断 DI が前月から1.5ポイント以上悪化し、かつ先行き判断 DI が前月比マイナスであれば買っている日経平均を売ります。
勝率としては2種類目の売買ルールのほうがいいですし、条件が一つ加わっているだけで、難しくはなっていないのでこちらを推奨いたします。
・アクティブインデックス実践編 〜検証結果〜
ここからは日本と米国、それぞれ代表の指数を用いて、アクティブインデックスを実践した際の検証結果を比較していきます。
取り上げる指数は
- 日経平均株価
- ダウ平均株価
それぞれ説明します。
1 日経平均株価
実際に日経平均のチャートを見てみましょう。
日経平均に投資した場合、ほとんどあがっていません。
しかし、日経平均は基本右肩上がりではないので差が大きく出てきます。
そのため、「安い時に買う」「高い時に売る」などの売買を行うことで日経平均でも利益を得る投資ができるようになっています。
2 ダウ平均
「ダウ」とはアメリカの株価指数のことでボーイング、アップル、ゴールドマンサックスなど米国を代表する30銘柄で構成されています。
日経平均と比べ、ダウは右肩上がりなので差が大きく出ていません。
そのため、アルファを出すことで超過リターンを期待できますが、より多く利益を出すことができるのは日経平均となります。
・アクティブインデックス実践編 応用編
最後にアクティブインデックスを作るために応用編の技術についてご説明します。
- ±5ポイントを基準にする理由
- 個別株の取引
- 空売り
- 発表翌日以降のエントリー
以上4つの項目から解説します。
1.±1.5ポイントを基準にする理由
まず、景気ウォッチャー調査のサンプル数は約2000人です。
売買の基準は先述の通り±1.5となります。
なぜ1.5になるかというと、統計的に調査結果は2000人の標準偏差0.5の3倍にあたる、統計でいう±3σ内に約99.7%で収まる計算となります。
つまり±1.5を超えた場合は何らかの景気動向の変化を反映している可能性が高いと判断できます。
この基準で考えた場合、せいぜい1年に1、2回ぐらいになる場合が多いです。
2.個別株の取引はできるのか
結論から言うとできます。
各銘柄には景気に敏感な「シクリカル銘柄」と、景気に左右されにくい「ディフェンシブ銘柄」の2種類があります。
仮に個別株の取引を行うのであれば、景気に敏感な「シクリカル銘柄」であれば景気指数を参考にできるためより売買がしやすくなります。
逆に景気に左右されない「ディフェンシブ銘柄」では景況感に左右されない株価形成をするので、あまり有効とはいえません。
3.空売り
景況感が悪化している際に空売りを仕掛けることはあまり推奨しません。
確かに、リーマンショックの前に景況間が悪化のシグナルがでたので、空売りで儲けるということはできました。
しかし、株式は基本的に右肩上がりで推移していくものなので売りの戦略の方が難しく勝率は下がります。
ダマシとなる売りのサインにはまる可能性もあります。(2012〜2014のレンジ相場で出ていました)
そのため推奨するのは「長期投資前提の買いのみ」になります。
4.翌日以降のエントリー
月初から数えて第6営業日に指数が発表されます。それを見逃してしまった場合、翌日以降にエントリーをすることはできるのでしょうか?
結論から言うとできます。
発表日の5営業日後、10営業日後でもプラスとなるため、厳密に発表日に買わなければいけないということはありません。
その月内に売買できれば理論上問題ないのです。
しかし、発表から2週間も立ってしまうと取れる利幅が小さくなるので月初めにエントリーすることがベストです。